FC2ブログ

*All archives* |  *Admin*

2018/09
<<08  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30  10>>
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
さがしもの 弘人と菜緒 ≪ 4話 ≫
翌日、菜緒は実家に帰り「あたしがまた、弘人と付き合ってるのは知ってるよね?」そう両親に話を切り出し、父親はソファーに座り静かに娘の言葉に耳を傾けた。

「弘人がちゃんと逢って話がしたいって言ってるの。逢ってくれる?」

とうとうこの日が来てしまった。

父親は観念したように「菜緒がこっちに帰ってくると決まった時から、いつかそう言うんじゃないかと思っていたよ。
ちゃんと逢える時間は作るよ。私も話したいことがあるんだ」そう呟き、一人部屋に戻っていった。

「話したいことってなんだろ?」

菜緒は疑問に思いながらも、父親が素直に逢ってくれると言ったことが嬉しくて、深くは考えようとしなかった。

次の週末、菜緒の父親は仕事を早く切り上げ彼と逢う時間を作っり、弘人は一着しかないスーツに身を包み緊張した面持ちで彼女の実家を訪れた。

5年半ぶりに逢った菜緒の父親は、少し年を取ってはいたが相変わらず大人の貫禄のある男性で、弘人はごくりと唾を飲み込むと「ご無沙汰しています」と深々と頭を下げた。

5年半前、娘と別れてくれと差し出したお金を最後まで受け取ろうとしなかった青年の、真っ直ぐで強い眼差しが菜緒の父親には怖かった。

どうにかしなければ娘を奪われてしまいそうで。

しかし結局は別れさせることは出来ても、二人の絆を引き裂くことは出来なかった。

そして今、その青年はここにいる。

父親も二人の付き合いを妻から聞いていて、二人がどんなに真剣に付き合っているのかも分かっていた。

だから早くこの日が来ないかと、心の何処かで思っていたのかもしれない。

父親に促され弘人は、ゆっくりとソファーに腰を下ろした。

「君に逢うのは6年ぶりだね。あの時はあぁするしかなかったんだ。すまなかった」

頭を少し下げる父親に「分かってます」そう言って頭を上げるように告げる弘人。

「娘さんを、菜緒さんを守る為にした事だって。
それに、あの時の僕がもっと強ければ別れることもなかったんです。
あの時の僕は、菜緒さんを受け止めれるほど大人じゃなかった。
でも今は違います。将来の事も考えてお付き合いさせて頂いています。
今すぐには無理かもしれませんが、菜緒さんとの結婚を認めてください」

弘人は父親の目を真っ直ぐに見つめそう告げると、ゆっくりと頭を下げた。

「結局私は君の菜緒を思う気持ちに負けたのかなぁ」

小さく溜息を零しながら、父親は話を続けた。

「娘との将来についても考えてみてもいいと思っています。・・・ただ」

「・・・ただ?」

「菜緒にはうちの会社を継げる人と結婚して欲しいと思っています。
達也が跡を継がない以上、それが条件なんだ。
君は今、造船の会社で働いていると聞いたが・・・」

「はい。4年目になります」

「そこを辞めて、うちに就職する気はありますか?」

「えっ?・・・就職ですか?」

弘人が戸惑いを見せると、少し離れたダイニングテーブルに座って話を聞いていた菜緒が立ち上がった。

「お父さん突然何を言うの?弘人は亡くなったお父さんと同じ仕事がしたくて工場をたたんだ後、今の会社に就職したのよ。勝手なこと言わないでよ」

「今、神崎くんと話してるんだ。お前は黙りなさい」

捲くし立てるように投げつける娘の言葉を父親が遮ると、その迫力に負けて菜緒は言葉を飲み込んだ。

「お父さんにも色んな思いがあるのよ。聞いてあげて」

そう言って優しく娘の肩を抱き宥める母親に、菜緒だ黙って小さく頷いた。

「少しお時間を頂いてもいいですか?
僕はこれからも母や弟を守っていかなければなりません。
だからすぐに分かりましたとは言えないんです」

小さく頭を下げる弘人に「それは構わないよ。ゆっくりと考えてくれて・・・
ただその条件だけは変わらないからね」父親はそう念を押して席を立ち、奥の部屋に入っていった。

小さく溜息をつく弘人。

全く考えなかった事ではない。しかし実際に言われると正直キツイ。

亡き父のやっていた仕事に携わって行きたいという思いと、これからも母と弟を守っていかなければならないという責任。

何もよりも自分に会社を継ぐだけの能力があるのかという不安で、彼は戸惑いを隠せないでいた。


つづく・・・


スポンサーサイト



コメントは承認制です
内容によっては削除する事、承認しないこともありますのでご了承ください。
隠しコメントは受け付けていません。
Secret
(非公開コメント受付不可)

  • 48yuki
  • こんばんわ!!

    まったくの想定外。デザイン関係で、少し接点が出てくるかなと頭をよぎりましたが。男として、仕事はキツイよね。
    弘人・・・自分の為に、少しわがままになってもいいと思うよ。
    自分の為に生きて。

    亀ちゃんは遠い人だけど、弘人には、あの街に行けば逢えそうなきがします。不思議ですね。
  • yukiちゃんへ
  • yukiちゃんが予想していたのと違った?
    でも、あたしの中で菜緒の父親が跡継ぎを諦めるって選択が
    どうしてもなかったんだよね
    あたしの発想ってちょっと変?

    弘人の工場に行った時は、弘人が出てきそうって思ったな
    船洗ってるおじさんが弘人に見えたもんな(笑)
  • みるみる
  • 第一の難関かな?
    そりゃ、大きな会社だから後継者問題は不可欠だよね。
    弘人!今までみたいに何もかも諦めないでね…自分の気持ちが一番大事なんだから。
    弘人と奈緒父対面の場面…#6最後~7冒頭のどこまでも一直線な眼差しの弘人の顔がダブってウルウルしちゃったよ。ス-ツ姿の少し大人びた弘人…あ~ぁ、観てみたいわ
    次回も楽しみに待ってよ
  • みるみるちゃんへ
  • NoTitle
    第一関門ですね 弘人の答えはどうですかね?
    あの#6~7の父親とのシーン大好きなの
    なぜか涙出てくるんだよね
    「たったひとつの恋なんです」って言う弘人にキュ~ンってなるのv-238
    また見たくなってきた でも、そんな時間ないよ(ーー;)

    楽しみにしてくれて、ありがと(*^^)v
  • yukarin
  • NoTitle
    初めてコメントします。40台の主婦です。家で近所の子供たち相手に寺子屋みたいな英語塾をしています。
    たつ恋で弘人に撃ち落され、この年で自分でも信じられないくらい亀ちゃんにはまっています。それまでは、KAT-TUNとNEWSの区別もつかなかったので、正直とまどいながらも、KAT-TUNに恐ろしいスピードで詳しくなっています(笑い)
    今では、中学生の生徒たちや、小学生の2人の娘にもあきれられています。
    周りに亀ちゃんの話とかできる人もいなくて、ブログめぐりでうっぷんばらしする毎日の中で、ひらりさんのブログ見つけました。たつ恋の続編、これからどうなっていくのか、めちゃめちゃ楽しみです。頑張ってください!
  • yukarinさんへ
  • はじめまして コメントありがとう(*^^)v

    弘人かっこよかったよね~(^^♪
    あたしも信じられないスピードで堕ちたんだよね
    家族も友達も呆れてるよ(笑)

    あたしの小説を楽しみって言ってくれてありがと
    喜んでもらえるといいんだけどな・・・・
    なにせ自信がないまま始めちゃったので^_^;
  • さちかめ
  • なるほど!
    ほぉ~(゜o゜)/
    菜緒パパはそうきたか!?
    弘人も考えてはいたんだね!?

    私は考えもしなかったよ(汗)


    本当はお兄ちゃんが継いでくれれば良いのに~!
  • runa
  • runa
    やっぱり弘人、成長して、まっすぐお父さんと話してかっこいい!!
    お父さんも、ぱっと見て思ったでしょうね!!
    コメントに関するお願い
    コメントは承認制になっておりますので、承認後に掲載になります。
    内容によっては承認しない。削除する事もありますのでご了承ください。

    初めてコメントされる方は、必ず簡単な自己紹介と「はじめて」だと言うことをお知らせください。
    申し訳ないのですが、分からないこともあるので。

    あとギャル文字は解読不可能なのでご遠慮いただきたいです。
    ホントに読めないんです。ごめんなさい。

    諸事情で隠しコメントは受け付けていませんし、コメレスもしていません。

    ごめんなさい


    ひらり
    プロフィール

       hirari

    Author:   hirari
    中1の男の子、小3の女の子の母です。

    亀ちゃんが好きすぎて息子に呆れられ、旦那に「うざい」と言われたちょっとアホな30代です。

    仁亀萌えしておりまして、腐った発言多々あります(笑)。

    今後もKAT-TUNと仁、両方を応援していきますのでよろしく!



    ひと恋の弘人で亀堕しました。

    めっちゃ長い「ひと恋」感想、小説「さがしもの ~弘人と菜緒~」など書いてますので、良かったら読んでやってくだパイ。


    ** メルマガ発行中 **


      
    ジャニーズブログランキング


    ポチッとよろしく! (^_-)-☆

    最近のコメント
    カレンダー
    08 | 2018/09 | 10
    - - - - - - 1
    2 3 4 5 6 7 8
    9 10 11 12 13 14 15
    16 17 18 19 20 21 22
    23 24 25 26 27 28 29
    30 - - - - - -
    H19.4.29に始めました
    カテゴリー一覧表
    遊びに来た人
    訪問してくれてありがとう
    遊びに来てる人
    現在の閲覧者数:
    こんなのやってます!
    お知らせ
    「LOST MY WAY」
    ~果たされた約束~

    魂での亀ソロを見て頭の中に浮かんで来たストーリーを小説にしてみました。

    切なくて甘いお話です。

    良かったら読んでみてください。


    -- E N D --
    .
    .
    オリジナル小説
    趣味で始めた小説
    まだまだ下手くそですが、少しづつ書き続けていくので良かったら読んでください。

    「さがしもの 弘人と菜緒」
    ≪ 全25話+特別編 ≫

    「あなたの笑顔 わたしの涙」
    ≪ 全58話+番外編 ≫

    「LOST MY WAY」
    ≪ 全34話 ≫

      携帯小説
    「声を聞かせて…Ⅰ、Ⅱ」 


     ≪携帯小説の感想はこちらに≫
    秘密の小部屋(裏小説)
    会員限定のお話しです。
    パスワードがないと閲覧できないよ!
     
      「秘密の小部屋入り口」

    ただいま新しい住人様の受付はお断りさせていただきます。
    詩の保管庫
    私が日々の生活の中で感じたり, 亀ちゃんの事を思ったりして, 書いた詩です

    ☆☆亀ちゃん☆☆
     「 幸せですか? 」
     「 夢の中で・・・ 」
     「 傷つかないでね 」
     「 私の隣・・・ 」
     「 きっと 」
     「 あなたの心 」
     「 言葉 」
     「 何もいらない 」
     「 遠い人 」
     「 寂しいね 」
     「 あなたの愛を 」
     「 あなたじゃなきゃ 」
     「 青空 」
     「 好きだから 」
     「 心の中 」
     「 嫌いになりたい 」
     「 会いに行くよ 」
     「 無題 」
     「 ジレンマ 」

    ☆☆家族☆☆
     「 11年目のラブレター 」
     「 子供の瞳 」
     「 かわいい恋人へ 」

    ☆☆その他☆☆
     「 泣かないで 」
     「 不思議な友達 」
     「 幸せだね 」

    大事なお友達
    ご紹介
    hirariの木
    検索ぷらす
    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。