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さがしもの 弘人と菜緒 ≪ 9話 ≫
10月31日 菜緒は学校が終わった後、8時過ぎに弘人のアパートを訪ねた。

彼が残業で遅くなることは聞いていたが、6年前のハロウィンを思い出し、少しだけでも彼に会いたくなったのだ。

菜緒は彼の母親と一緒に料理をしながら、弘人と廉の帰りを待っている。

「菜緒ちゃん お料理上手になったのね。あたしは相変わらず苦手だわ」

「北海道に行っている間に少しずつ覚えたんですよ。
最初はホントに酷かったんですけど、最近やっとって感じですよ」

「弘人は何か言うの?」

「おいしいって言って食べてくれるんですけど、下手な時もそう言ってくれてたんで、どうなんですかね?」

「あの子らしいね」

「廉くんいつもこんな遅くまで練習してるんですか?」

「レギュラー取るんだって頑張ってるらしくて、いつもこんななのよ」

「弘人も廉くんも頑張ってるんだなぁ」

あたしは何を頑張ればいいんだろう・・・

そんな会話をしていると、アパートの外階段を駆け上がってくる足音が聞こえ、玄関のドアが開くと久しぶりに見る顔があった。

「廉くん!」

「菜緒姉ちゃん、どうしたの?」

「やっと逢えたね。横浜に帰ってきても廉くん野球の練習や試合で逢えなくて・・・。
2年ぶりかな? また大きくなったね」

久しぶりに逢う廉はすでに身長も弘人を追い越し少し男っぽくなっていて、菜緒は何だか高校生の弘人に逢っているような気持ちになり照れくさくなった。

「お腹空いたぁ。早くご飯食べようよ」廉がそう言うと「今日は菜緒ちゃんと作ったんだよ」と言いながら母親がご飯を茶碗によそい「菜緒姉ちゃん料理上手になったんだね」廉が思わず言ってしまった。

「そう言えば、昔チャーハン作ったよね。やっぱりアレおいしくなかった?」

心配そうに問いかける菜緒に「忘れた!」そう言って笑う廉。

どうやら兄弟二人して菜緒に気を使っているらしい。

「お母さんも廉くんも先に食べて。あたし弘人待ってるから」

「でもあの子何時になるか分からないよ。最近また帰りが遅いんだよ」

「もうクリスマス商戦の準備に入ってる時期だからなぁ」

菜緒がポツリと零すと「もう少し待って帰らなかったら、一緒に食べましょ」母親が彼女にそう告げた。

結局10時を過ぎても弘人は帰っては来ず、菜緒は彼に逢えないまま廉に駅まで送ってもらう事になり、駅までの道二人は高校の野球部の話、養護学校の話など色々な事を報告しながらゆっくりと歩いた。

廉が菜緒の歩調に合わせていたのだろう。

駅に着き券売機で切符を買いながら「少しでも弘人に逢いたかったなぁ」そう思ったとき、「菜緒?」いとしい声が聞こえ振り向くと会社帰りの弘人が驚いたような顔をして立っていた。

「どうしたんだよ。こんな時間に・・・」

「お兄ちゃんに逢いたかったからに決まってるじゃん」

「送ってくれたんだ。ありがとうな・・・廉」

「俺、帰るね。菜緒姉ちゃん、またね!」

二人に気を利かせ一人先に家路に着く廉。

「すれ違いにならなくて良かった。メールくれたら良かったのに」

「だって仕事忙しいの分かってたし・・・」

「そうだよな。ごめん。・・・じゃあ、家まで送るよ」

彼の言葉に「いいよ。疲れてるんだし、それに駅からはタクシーで帰るから大丈夫」菜緒は心配掛けないように寂しい気持ちを隠してにっこりと笑った。

「でも・・・」

「いいの。じゃあ送る代わりに、もう少しだけ一緒にいて」

そう言って彼に甘える菜緒。

二人は横須賀に向かう電車が来るまでの少しの時間、ホームのベンチに座って話始めた。

「ごめんな。まともに逢う時間作れなくて・・・」

「弘人があたし達のために頑張ってるって分かってるから、謝らないで。
あたしの方こそゴメンね。弘人に何もしてあげられなくて」

彼女が彼の肩に少しもたれかかるようにして謝ると「何で菜緒が謝るんだよ。俺が頑張るって決めたんだから。
きっと時間作るから、もう少しだけ待ってて」弘人が菜緒の髪を優しく撫で下ろした。

そこへ彼女の乗る電車がホームへ入ってくる。

ドアを挟むようにして立ち、手を繋ぐ二人。

「家に帰ったら電話して。心配だから」

弘人がそう言うと「分かった」彼女は寂しい気持ちを抑えて明るく答えた。

しかし電車の発車ベルが鳴ったと同時に弘人が電車に飛び乗り、ゆっくりとドアが閉まる。

「えっ? 弘人??」

「やっぱり送るよ。もう少し一緒にいたいんだ」

優しく微笑んで呟く弘人。

「でも・・・」

「菜緒 寂しい時は寂しいって言えよ。嬉しい時は嬉しいって言ってくれよ」

彼の言葉に菜緒は溢れそうな程の笑顔を見せ「嬉しい。すっごい嬉しい」と瞳を潤ませた。 

「でも、疲れてるんじゃないの?」

「菜緒のいると疲れ取れる・・・かも?」

「かも・・・って何よ」

ちょっと拗ねたように言う菜緒が可愛くて、彼は彼女の頭を優しくポンポンと叩いた。

弘人はドアにもたれ掛かるようにして、菜緒は彼にそっと寄り添うようにして、彼女の降りる駅までずっとおしゃべりを続けた。

弘人は平日なのに態々自分に逢いに来てくれた彼女が愛しくて、そっと菜緒の肩を抱き周りに気付かれないように「今日はありがとね」小さく囁きおでこにそっとキスをした。

駅に着くと電車を降り、今度は反対側のホームで弘人が乗る電車を二人で待つ。

「ちゃんとタクシーで帰れよ」

「うん。分かってる。弘人も気を付けてね」

「後で電話するから」

ホームに電車が入ってくると、二人寂しい気持ちを堪えて繋いだ手をギュッと握った。

発車のベルが鳴り、繋いだ手をそっと離すとゆっくりとドアが閉まる。

電車が動き出す寸前。ドア越しに声に出さずに彼が呟いた。

「あ・い・し・て・る」

電車が発車した後、帰宅するたくさんの人が行きかうホームには一人ニヤける菜緒の姿が・・・。

「もう、ちゃんと言ってよね・・・ばか」


つづく・・・



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  • みるみる
  • Hirariちゃん、ありがとう!
    こういうラブラブな二人が観たかったの。
    もう脳内フル再生です(笑)

    実際にこのシ-ンが映像であったら号泣してたわ

    どうか香川女史が絡まないように…心配です。
  • 48yuki
  • ちょっと大人な二人?
    hirariちゃん こんばんわ!

    ラブラブな二人。ありがとう。
    26才の二人を 幸せな二人を 思いうかべる事ができました。 亀梨君・はるかちゃんではなくて、 弘人・菜緒が そこにいます。

    あのう・・・香川女史、どこかに転勤になりませんか?
    弘人&菜緒の笑顔 いつまでも・・・・・お願いします。
  • rannrann
  • NoTitle
    hirariちゃん おはよ~
    ひゃぁ~~くすぐったい!!
    どこまでもほんわかした優しい空気が流れてますね~
    ついついにこにこしちゃう(^^)

    ストーリー展開一休みで、らぶらぶな二人。
    BGMが聞こえてきそう♥
  • yukarin
  • hirariちゃん、元気ですか~?
    バカっプル、たのし~!もっとラブラブして欲しいくらいです。
    病院抜け出してきて、一晩過ごした後、船の上でいちゃいちゃした、弘人と奈緒思い出しちゃった。
    あのシーン私大好きなんだ。シリアスなドラマ展開の中、宝石みたいなきらきらしたかわいいシーンだったよね。
    別れがたくて、なんども、じゃあ、行くねって言ってたあと、コートのベルトひっぱって抱きしめた、弘人もかっこよかわいかった!
    ラブラブもっとみた~い!
    よろしくお願いしま~す!!

  • Forever+K
  • Hirariさん、こんばんは!!

    9話まで読んだよ!!やぱりこの二人可愛い!!弘人って本とに男らしね!!この話を読みはじめてからひと恋のdvd毎日見てます!!なんだか弘人と奈緒に会いたくなった!!

    香川さんどこか遠く行かないかな!!ちょっといやな女だな!!(笑)ずっとloveloveな二人でお願いします!!
  • anan
  • 「もう ちゃんと言ってよね・・・・・・・・・・ばか」

    優しい弘人 強気な 菜緒
    思い切り ひと恋の弘人と菜緒ですね
  • さちかめ
  • 最高
    「あ・い・し・て・る」

    あ~私にも言って~ヽ(≧▽≦)/

    失礼っ(笑)

    この二人本当にキュンキュンしちゃうわ~ヽ(≧▽≦)/


    廉くんも高校生か~♪

    あのチャーハン!
    「忘れた」うん!それが一番(笑)

    かあちゃんと菜緒が一緒に台所に立つ日が来るなんて、あの頃は考えられなかったもんなぁ~(泣)

    そんな二人を見る優しい目の弘人をいつか見たいなぁ~
  • runa
  • うんうん!これです!!ラブラブなの見たいです!!
    甘える菜緒も可愛いし、電車飛び乗っちゃう弘人、好きです!!
    ちゃんとドラマのエピソード入ってて嬉しいです!!
  • さくら
  • なんて 素敵な2人 これ 実際にドラマで見たい!!
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    ホントに読めないんです。ごめんなさい。

    諸事情で隠しコメントは受け付けていませんし、コメレスもしていません。

    ごめんなさい


    ひらり
    プロフィール

       hirari

    Author:   hirari
    中1の男の子、小3の女の子の母です。

    亀ちゃんが好きすぎて息子に呆れられ、旦那に「うざい」と言われたちょっとアホな30代です。

    仁亀萌えしておりまして、腐った発言多々あります(笑)。

    今後もKAT-TUNと仁、両方を応援していきますのでよろしく!



    ひと恋の弘人で亀堕しました。

    めっちゃ長い「ひと恋」感想、小説「さがしもの ~弘人と菜緒~」など書いてますので、良かったら読んでやってくだパイ。


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    まだまだ下手くそですが、少しづつ書き続けていくので良かったら読んでください。

    「さがしもの 弘人と菜緒」
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