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さがしもの 弘人と菜緒 ≪ 11話 ≫
今日は菜緒の27回目の誕生日。そう12月24日のクリスマスイブだ。

6年前はイブの前に別れたし、もう一度付き合い始めてからは菜緒が北海道に行っていて一緒には過ごせなかった。

だから今日は、初めて彼と過ごす誕生日。きっと素敵な一日になるはず。

今日を楽しみにしていた菜緒は散々悩んだ挙句、彼へのクリスマスプレゼントはスーツに似合う腕時計を買った。

それと「自分の部屋の合鍵」も・・・。

はっきり言って弘人が菜緒の居ない時に部屋に来ることはない。

だから今まであげる必要もなかったし、あげるタイミングも分からなかった。

でも子供っぽいのかもしれないが、彼に持っていて欲しかったのだ。

たまたま雑貨屋で見つけた可愛いクジラの付いたキーホルダーに部屋の鍵を付け、時計と一緒に渡そうと準備していた。

今年のイブはたまたま休日で、二人は朝からデートして夕方からは菜緒の部屋で一緒に誕生日を祝う予定を立てていた。

イブのデートに出掛けた先は、白い波の立つ「冬の海」

今日は晴れているとは言え、12月の海は当たり前のように風が冷たい。

「なんでこんな時期に海に行きたいって言うんだよ」

弘人が呆れたように呟くと「なんかさぁ 冬の海って恋人と行くって気しない?」菜緒が彼に寄り添いながら微笑んだ。

「全然しない。寒いだけじゃん」

「こうしたら寒くないよ」

そう言って菜緒は弘人の腕にしがみ付き「やっぱ寒いだろ!」弘人はちょっと呆れたように呟き笑った。

手を繋いで海岸線を寄り添って歩く二人。

もうこの手を離すことはないんだよね。

幸せを体いっぱいに感じながら、隣を歩く弘人の横顔を見つめる菜緒。

それに気付き弘人も優しく微笑み返す。

暫く歩いていくと、遠くで父親と息子がボールで遊んでいるのが見え、子供が楽しくはしゃぐ声が聞こえてくると、彼はそれを優しい眼差しで見つめた。

その時、菜緒の胸が少しだけ痛んだ。

弘人・・・ごめんね。

帰りの電車の中 隣でウトウトしている彼女を見て弘人は何も言わず自分の肩をトントンと叩き、菜緒は黙って彼の肩に寄りかかって目を閉じた。

彼はただ優しく微笑みながら彼女の寝顔を見つめ、電車の揺れに体を預けた。

電車を降りると菜緒の家の近くのスーパーで夕飯の材料とケーキを買い、部屋に入るとすぐにクジラの置物に灯りを点した。

そう、廉と弘人が作ったあの可愛いクジラの置物だ。

灯りの点いたクジラを見て二人顔を見合わせて微笑むと、そのそばにあったオレンジのイガイガを弘人は手にした。

「これまだ持ってたんだ?」

「うん。いつもは仕舞ってるんだけど、今日は飾ってみたの。
もうボロボロになっちゃった」

「そうだな。でも大事な宝物だな」

「うん。今日は一緒にいれて嬉しかった。初めてだよ、弘人と過ごすクリスマスイブ」

「菜緒の誕生日なのにな」

「そうだよ。いつも寂しかったんだからね」

「これからは毎年一緒に過ごそうな」

「うん。絶対ね」

二人で作った料理やケーキ、それとお酒もちょっとだけ・・・。

豪華なクリスマスではないけれど、二人で一緒に居られたらそれ以上は何も望まない。

弘人は彼女をそっと後ろから抱き寄せると、ポケットから取り出した小さな箱を差し出した。

もちろんダイヤの付いたエンゲージリングだ。

弘人は菜緒の左手をそっと持つと「ずっと一緒だからね」そう言って薬指にリングを嵌め「絶対だよ。もう離れたりしないよね」瞳を潤ませて問いかける彼女に「どんな事があっても絶対に離れないよ」答えて、自分の腕の中の彼女を優しくギュッと抱きしめた。

「愛してるよ」彼女の耳元でそっと囁く弘人。

電車のドア越しに初めて聞いた言葉。今度はちゃんと言ってくれた。

「あたしもプレゼント渡していい?気に入ってくれるかな?」

「時計じゃん。かっこいいな」

「ホント?弘人のスーツに似合うと思って。気に入った?」

「すっげぇ嬉しい。菜緒ありがとうな」

そう言って弘人は彼女にキスをして、それから二人は甘くて幸せな時間を過ごした。

弘人に愛される幸せ。肌で感じる彼の温もり。

菜緒は心が震え失うのが怖いと思う程の幸せを感じながら、愛しい彼の体を抱きしめた。



10時を過ぎ彼が帰らなければならない時間になると、菜緒が寂しくて彼の服の裾をちょっとだけ引っ張り、それに気付いた弘人は「ごめんな」そう言って彼女のおでこに優しいキスを落とした。

「駅まで送らなくていいの?」

「送られた方が心配だよ。ここでいいから。また電話する」

名残惜しそうにしながら、何度も振り向きながら帰っていく弘人。

次の瞬間「あっ合鍵渡すの忘れた」

菜緒は小箱を手にすると部屋を飛び出し、すぐに彼を追いかけた。

少し先の交差点を渡った所に彼が居るのが見えると「弘人~!!!」菜緒は彼の名前を呼びながら歩行者信号が青の点滅を始めた横断歩道を渡り始めた。

彼女の声に気付き弘人が振り向いた瞬間、バイクがスピードを出したまま右折して交差点に進入し、バイクの強いライトに驚いた菜緒はその場で動けなくなった。

「菜緒!」

クリスマスイブの夜、二人の幸せを奪い去ろうとするモノを拒むように、暖かな光に包まれた街に悲しげな弘人の声が響き渡った。

「菜緒!・・・菜緒~!!」



つづく・・・
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  • anan
  • こんばんは
    思わぬ展開にびっくり
    どうなっちゃうの?
  • ananちゃんへ
  • おはよ~(^O^)/

    どうなっちゃうんだろうねぇ
    12話もビックリしちゃうかも?
  • さちかめ
  • いや~Σ( ̄□ ̄)!
    弘人と初めて誕生日を一緒に過ごせて良かったね♪

    なんて思ったのに~

    いや~Σ( ̄□ ̄)!

    菜緒~Σ( ̄□ ̄)!
  • runa
  • うむむ・・・
    幸せな気持ちからの急展開!!
    ドラマっす!!上手いっす!!
  • あっこ
  • 1話から見させてもらってます!
    なんか映像で見たくなりました!
    凄く優しい気持ちになりました(^-^)
    でもこれからどうなってしまうんでしょうか~(>_<)
  • さくら
  • なに なに この展開? 次 行きます!!
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    ホントに読めないんです。ごめんなさい。

    諸事情で隠しコメントは受け付けていませんし、コメレスもしていません。

    ごめんなさい


    ひらり
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       hirari

    Author:   hirari
    中1の男の子、小3の女の子の母です。

    亀ちゃんが好きすぎて息子に呆れられ、旦那に「うざい」と言われたちょっとアホな30代です。

    仁亀萌えしておりまして、腐った発言多々あります(笑)。

    今後もKAT-TUNと仁、両方を応援していきますのでよろしく!



    ひと恋の弘人で亀堕しました。

    めっちゃ長い「ひと恋」感想、小説「さがしもの ~弘人と菜緒~」など書いてますので、良かったら読んでやってくだパイ。


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    「さがしもの 弘人と菜緒」
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